徳島駅西側の花畑踏切付近の歩道に、自転車やバイクが多数放置されている。これにより通行スペースが限られ、子どもが自転車に乗った高校生とぶつかりそうになったー。徳島新聞「あなたとともに~こちら特報班」にこんな相談が届いた。この場所は、徳島市が定める「自転車放置禁止区域」から特例で外れているほか、近くの商店街からは「買い物客の駐輪スペースとして必要」との声が上がっており、道路を管理する県は頭を悩ませている。
県東部県土整備局によると、自転車は原則として駐輪場など決められた場所以外の公道には止められない。自転車放置に時間は関係なく、離れた時点で放置となる。
花畑踏切付近の歩道では、放置自転車などが約10メートルにわたり、道幅約8メートルの半分近くを占めている。相談者によると、歩行者と自転車が接触しそうになるのをよく見掛ける場所という。放置車両は朝夕に多い。
市の自転車放置禁止区域内は、平日に市職員が巡回して放置車両を撤去している。これに対し、花畑踏切付近の歩道では盆前に県などが行う程度。警告書を張り、数週間ほど過ぎても移動しない場合に撤去している。
問題となっている歩道への車両放置は、禁止区域外だと把握した上での行動なのか。半日間自転車を止めていた10代男性に聞くと、「ここは止め放題の場所。駅前の駐輪場は2時間使ったらお金がかかる。地下に降りるのも面倒」と話した。
花畑踏切付近の歩道は本来、自転車放置禁止区域に該当するものの、商店街が区域から外すよう市に求めた経緯がある。店主の1人は「客の多くが駐輪しており、使えなくなれば売り上げが減ってしまう」と言う。商店街では毎朝、倒れた自転車を起こすなど整理をしている。
放置車両に苦情が出たのを受け、市は「特別に許可を出している以上、商店街には管理を徹底してほしい」とする。県は「歩道をふさぐと、災害時に大きな障害となる。『1台くらい止めてもいいだろう』という意識を改め、正規の駐輪場を利用してほしい」と訴えている。
徳島市の自転車放置防止条例 徳島駅前の東西約500メートル、南北約200メートルの範囲を禁止区域とする。1984年に制定された。平日に数回、市職員が巡回して放置自転車を保管所に移している。返還には1500円が必要。2018年度は1556台を撤去。持ち主の大半は高校生だった。保管は半年間で、所有者が現れなければ廃棄処分にする。返還率は約70%。市は対策として、駅前地下自転車駐輪場の最初の2時間を無料にしている。