人形遣いの勘緑さん(左)と共演する山下さん=那賀町の拝宮農村舞台

人形遣いの勘緑さん(左)と共演する山下さん=那賀町の拝宮農村舞台

 那賀町の白人神社境内にある拝宮農村舞台で28日、世界的なジャズピアニストの山下洋輔さんがエネルギッシュな演奏を披露した。人形遣いの勘緑さん=三好市出身=との共演もあり、観客500人を沸かせた。

 山下さんは、オリジナルの「やわらぎ」、ドボルザークの交響曲第9番「新世界より」など計5曲を演奏。観客は素早く、激しいタッチに見入っていた。

 最後に演奏したラベル「ボレロ」では、勘緑さんが舞台に登場。勘緑さんは、山下さんの奏でる妖艶(ようえん)な音色にに恋した人形の喜びや悲しみを即興で演じた。

 曲のクライマックスでは、肘を使って弾くパフォーマンスもあり、観客から大きな拍手が送られた。

 また、地元の丹生谷清流座が「三番叟絵巻」、拝宮谷農村舞台保存会は「えびす舞」を上演した。

 神山町から来た原田真由美さん(39)=会社員=は「背景に自然が見える舞台で、山下さんのピアノと人形浄瑠璃の共演が見られて新鮮だった」と話した。