環境美化活動や周遊船の運航などに取り組むNPO法人新町川を守る会(徳島市)が、廃船になった周遊船1隻をソーラー船に改造した。太陽光発電でモーターを回して新町川を航行し、乗船客に環境意識の啓発を図る。7月に就航予定。会によると太陽光発電だけで動くソーラー船は、全国的に珍しいという。
守る会が1994年度に始めた「ひょうたん島クルーズ」事業の初代周遊船(長さ4・2メートル)を活用した。船の前後部に、出力100ワットの太陽光パネル(縦約70センチ、横約100センチ)を2枚ずつ設置。船に備え付けたバッテリーに電力を蓄電し、1・6馬力のモーターを動かす仕組みだ。5人が乗船できる。
現在、守る会が所有する周遊船4隻はいずれも12人乗りで、大型化が進んでいる。燃料にはガソリンを用いており、温室効果ガスを排出する。このため、会員の池田良一さん(48)=徳島市南佐古四番町、県職員=が、環境保護団体としての存在感をアピールしようと、ソーラー船の航行を思いついた。
池田さんは、約15年前に廃船になった初代周遊船の改造を昨年1月から手掛け、このほど終えた。現在試験航行中で、フル充電すれば連続約3時間の航行が可能。平日5日間に蓄電し、人出が見込まれる土・日曜に客を乗せる。同市の両国橋北詰めにある周遊船乗降場の周辺約1キロを1日3、4回、20~30分かけてゆっくり回る。
通常のソーラー船は太陽光だけではなく、家庭用などの商用電源も使うが、守る会は大陽光だけで航行させる。池田さんは「環境に優しい船があることを、多くの人に知ってほしい」と意気込む。中村英雄理事長(78)=同市寺島本町東1=も「これを機に、他にもクリーンエネルギーを使った周遊船の導入を検討していく」と話している。
乗船は保険料200円(中学生以下100円)が必要。問い合わせは中村理事長<電090(3783)2084>。