イラスト・伊藤司郎

イラスト・伊藤司郎

 切り抜いた新聞記事をジャンルごとに分けて整理すれば、情報処理能力が育つ。

 昨年11月、徳島市の福島小学校の3年生が新聞記事を切り抜いて分けたり比べたりするワークショップを行った。

 4、5人のグループに分かれ、人数分の新聞を配布した。使用したのは、徳島新聞朝刊の地域総合面。主に県内の出来事が取り上げられ、カラー写真が使われている。

 児童はまず、思い思いに切り抜いた新聞記事を「祭り、イベント」「食べ物、飲み物」「訓練、体験」「動物、植物」「絵、習字、写真、音楽」という五つの領域に分ける。次に、領域の題字が貼られた模造紙にその記事を貼っていく。

 「交通安全教室はどのグループかなあ」「訓練と違う?」などと、友達と相談したりつぶやいたりしながら、記事を分類した。

 貼り終わったところで、貼り付けた記事と手元に残った記事を見直し、「五つのグループに入らない記事もある」など気付いたことを発表。写真と見出しを手掛かりに記事の内容を捉え、新聞記事の多様性に気付いたようだった。

 家庭でもやってほしい。何日分かの新聞を集め、家族みんなで切り抜き、分類して紙に貼る。生きた情報が詰まった新聞記事を使うことで、実生活の中で活用できる力として情報処理能力を身に付けられるだろう。

 その日の地域総合面を広げ、「今日は何の記事が多い?」と分類しながら読むだけでもよい。やりやすい形にして、継続することが大切だ。(野口幸司・徳島新聞NIEコーディネーター)