従来、寒い季節になると嘔吐を主訴に来院する子どもが多くなります。嘔吐に加えて腹痛や発熱、下痢を伴い乳幼児では脱水症や電解質異常を来すこともあるのがウィルス性胃腸炎です。今月はウィルス性胃腸炎の中で問題の多いロタウイルス胃腸炎について考えてみました。

 ウィルス性胃腸炎の中で冬から春にかけて多く見られるのがロタウイルス胃腸炎です。ロタウイルスのワクチンが今年の10月以降定期接種になります。現在ワクチンは任意接種ですが多くの人が受けています。そのため最近では冬にロタウイルス胃腸炎の流行を見ることはほとんどありません。ワクチン開始にあたってロタウイルスについて知識を整理しておきたいと思います。

 ロタウイルスは経口的に消化管に入り、主に小腸に感染します。感染から発病までの潜伏期間は24~48時間です。手指や衣服、器物の表面についたウィルスが口から感染しますから保育園や幼稚園など子どもが大勢集まるところでは集団発生する可能性があります。

 ロタウイルス胃腸炎の症状は下痢、嘔気、嘔吐、発熱、腹痛です。症状の程度は軽症から重症まで様々ですが、ウィルスに対する抵抗力がない乳児期早期ほど重症になります。ロタウイルスには繰り返して何度も罹ります。何度も罹るうちに徐々に軽く済むようになります。ワクチンは2回又は3回接種で、生後6週から接種できます。ワクチンの最大の副反応は腸重積です。自然発生の腸重積が増加する前にワクチン接種を終了することが大切です。早期に接種終了することで集団生活に支障を来さないことも望まれます。