ウィルス性胃腸炎の原因にはロタウイルス以外にもノロウイルスやアデノウィルスなど多くのウィルスがあります。本症の代表的な症状は嘔吐、発熱、下痢です。原因ウィルスによって症状に多少の違いはありますが、症状の違いによって原因ウィルスを決定することはできません。

 ロタウイルス感染症では激しい下痢や嘔吐による脱水症や電解質異常が問題になります。嘔気、嘔吐、腹痛に伴う食欲不振や発熱による消耗に加えて激しい下痢によって脱水症になることがありますから、水分・電解質の補給が大切です。軽症の脱水症であれば食事療法だけで対応できます。中等症では喪失した水分や電解質を輸液や経口補水液で補い、食事療法を行います。重症の脱水症になれば入院の上で輸液療法が必要となります。嘔吐が止まれば出来るだけ早く食事を開始します。食事開始が遅くなると消化機能の回復が遅れますから、絶食期間は出来るだけ短期間にします。

 胃腸炎発病数日後にけいれんが発生することがあります。このけいれんは反復して起こる傾向があります。熱性けいれんと異なりジアゼパム坐剤は無効です。 このけいれんは基本的に予後良好であり、胃腸炎の重症度、脱水症や電解質異常の有無とは無関係に発生します。

 またロタウイルスでは脳症が発生することもあります。脳症は比較的まれな疾患ですが、小児の脳症の中ではインフルエンザや突発性発疹の脳症に次いで多く見られます。脳症の予後は不良です。けいれんが長く続き意識障害を伴う場合には脳症の発生を疑い適切な対応が必要になります。