全国の中高生を対象にした科学自由研究コンテスト「第63回日本学生科学賞」で、ヨルガオの開花メカニズムを調査研究した八万中学校(徳島市)の4人グループが最高賞の内閣総理大臣賞を受賞した。未解明のテーマに挑み、実験を重ねたのが評価された。
4人はいずれも1年生で、昨年7月末~11月にヨルガオを観察。暗闇や日照が開花にどう影響するのか調べたほか、鉢に段ボールをかぶせたり、照明を当てたりして開花時間や咲き具合を比較した。暗闇の時間がないと花は咲かず、開花に光は必要ないと分かった。
その上で、「暗くなること(照度の低下)が開花を促すのではないか」と推測。鉢に半透明のポリ袋と段ボールを順番にかぶせて人工的に夕暮れを再現したところ、暗くなる時間が早まれば開花も早まった。
実験結果から▽夜になると開花を促す植物ホルモンをつくり、日光を浴びれば開花を止めるホルモンを生成する▽暗くなると開花を止めるホルモンがつくられなくなるため、夕方に花が咲き始める―との仮説を立て、コンテストに応募した。
中学の部には約6万9千件の応募があった。4人は昨年12月に都内であった中央最終審査でパネルを使って研究成果を説明した。4人のうち1人は「受賞を励みにもっと勉強し、京都大の山中伸弥教授のような科学者になりたい」と話した。
県内の内閣総理大臣賞は、ウミガメの子ガメが海に帰る習性を調べ、2004年度に受賞した椿町中(阿南市)以来。読売新聞社主催、全日本科学教育振興委員会など共催。
八万中以外の県内入賞校と研究テーマは次の通り。
全日本科学教育振興委員会賞 城南高「新たな分析法確立を目指して」▽入選1等 富岡東高「酵母等を使用した糖燃料電池」▽入選2等 城南高「江川湧水の異常水温について」