牟岐町の牟岐港と出羽島を結ぶ連絡船「大生丸」に2年ぶりにツバメが巣を作り、ヒナを育てている。親鳥に餌を求めて「ピーピー」と鳴くヒナの姿を、乗客は温かく見守っている。
ツバメのために、ロープを縫い合わせて客室入り口付近に置かれた小さなかごに巣を作った。4月末ごろから卵を温め始め、30日時点で5羽のヒナが確認された。
2羽の親鳥が餌を運んでくる度に、ヒナは巣から顔を出してくちばしを大きく開ける。船が動く間も餌をもらう姿が見られ、ほほえましい様子をスマートフォンのカメラで撮影する乗客も多い。
連絡船は乗客の乗り降りが多く、ツバメの天敵のカラスが近づきにくいため、ほぼ毎年巣が作られる。2年前はヒナがカラスに攻撃されたが、3年前は無事に巣立った。奥村鶴夫船長(49)は「今年も全羽が無事に成長してほしい」と願っていた。