新聞の1面にあるコラムは、国語力を高めるために活用できる。

 簡単にできて、確実に国語力を高める方法が書き写しだ。漢字や言葉、書き言葉の文体が自然と身に付く。取り上げられている話題から社会的事象の知識も増やすことができる。

 吉野川市の知恵島小学校では週刊「阿波っ子タイムズ」のコラム「こども鳴潮」の書き写しを土日曜日の宿題にしている。新見員子校長が、前任校で読み書きへの効果を実感したことから始めたものだ。6年担任の筒井美帆教諭(27)は「黒板の文字を書き写すのが速くなった」と言う。

 6年生の桒原彩希さん(12)は「校長先生が書き写しノートに書いてくれる言葉がうれしくて、頑張る気になる」と話す。家庭でも家族のコメントや声掛けが強い動機付けになるだろう。

 中学生以上には徳島新聞のコラム「鳴潮」に3色の傍線を引く「鳴潮3色読み」もお勧めだ。「鳴潮」の特に重要な部分に赤、それを補足する部分に青、個人的に関心のある部分に緑でそれぞれ線を引く。赤線部分を引用して100文字に要約する。文と文とのつながりに注意が向くようになるので、読み取りが正確になる。

 実生活に近い場面で学んだことは、実際に使える力になる。最近の学力調査や入試も、そんな力を測ろうとしている。生きた情報が詰まった新聞を活用することで、生きて働く力を育んでほしい。

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 「鳴潮3色読み」のワークシートは徳島新聞電子版からダウンロードできる。解答例はモニターに配信。問い合わせは徳島新聞メディアNIE・NIB推進室<電088(655)7384>。=おわり