架空請求詐欺とみられるメール(画像の一部を加工しています)

 携帯電話やスマートフォンに届く詐欺の「入り口」とみられるショートメール。徳島新聞(徳島市)記者のスマホにも「ご登録の有料サイトが料金未納となっており、このままですと強制執行となります」とのメールが送られてきた。架空請求詐欺ではないのか―。手口を探るため、記載された連絡先に電話をかけた。

 「はい。○○債権回収です」。電話に出たのは若い男の声だった。料金未納のメールが届いたと伝えると、「お客様情報を確認する」と氏名と生年月日を聞かれた。男は未納について説明を始めた。

 2018年11月15日に登録した有料情報サイトの料金が長期間支払われていないので、最終通知のメッセージを送ったという。男は「同時に民事訴訟の手続きが進んでいる。早急に対応してほしい」と話した。

 「そんなサイトは知らず、登録した覚えもない」。こう答えると、男には国内外の映画やドラマ、成人向けコンテンツを視聴できるサイトだと説明された。サイトを利用する際に、携帯電話の個体識別番号とIPアドレスの認証が自動的に取得される仕組みという。

 「あなたの端末から登録したと間違いなく確認できている。法的に支払い義務が生じている」「利用料金と解約金、遅延損害金を合わせて15万円が必要だ。すぐに支払えば解約手続きをする」

 男は30分から1時間以内に電子マネーを購入するよう催促。「時間が迫っている。急がないと東京地裁で訴訟が始まる」と畳み掛けた。

 1時間後、電子マネーを購入したと装って再び電話をかけた。これまでに請求書を送ってきたのか、債権回収会社は存在するのかなどを質問した。すると男は「請求書は事前に送付希望がなかった」「会社は都内にある」などと説明した上で、「あなたの電子マネーの番号を伝えてもらえれば清算できる」と何度もせかしてきた。

 いったん電話を切り、メールに記載された「○○債権回収」をネットで検索。同名の債権回収会社のホームページが見つかった。電話をすると、対応した男性は「メールで請求することはない。気を付けてください」。

 再度、メールの連絡先に問い合わせた。男は「あなたが電話したのは○○債権回収株式会社。私たちは株式会社○○債権回収だ」と言い、「今なら15万円で済む。裁判になれば数百万円の費用がかかる可能性がある」。そこで「支払えない」と言って電話を切った。

 会話の最中には何度か「詐欺ではないのか」と電話口の男を問い詰めた。しかし「そういったことはない」と認めなかった。

 徳島県警捜査2課によると、典型的な架空請求詐欺の手口という。県警が認知した2019年の特殊詐欺被害は30件7775万円(前年比6件1億174万円減)。手口別では架空請求が17件6140万円で最多だった。