新型コロナウイルスによる肺炎が正式に感染症法の「指定感染症」になる2月7日以降、患者は必要に応じて全国に約400ある「感染症指定医療機関」に入院することになる。徳島県内は徳島大病院のほか、県立中央、三好、海部の3病院。感染拡大を防ぐための隔離施設などを完備している。指定医療機関の長崎大病院では28日、感染が疑われる患者が搬送されたという想定で訓練が行われた。

 患者はまず最寄りの病院などを訪れるが、感染が疑われると、医師は保健所などへの届け出が義務付けられる。次に検体を国立感染症研究所や全国の地方衛生研究所で検査。感染が確認され、診察した医師が必要と判断すると指定医療機関に入院する。患者が拒否すれば強制も可能だ。

 感染症法では、感染症を危険性の高い方から1~5類に分類し、類型に応じて対処する。新型肺炎は現時点でどれにも分類されていないが、指定感染症になることで原則1年、最長2年の期限付きで2類感染症と同様に扱われる。

 指定医療機関には、重症急性呼吸器症候群(SARS)など2類感染症を扱う「2種」、2類感染症とエボラ出血熱などの1類感染症を扱う「1種」、これらに加えて未知の感染症も扱える「特定」の3種類あるが、新型肺炎はこれら全てで受け入れができる。

 いずれも原則個室で、部屋の外に空気が流れない構造になっており、排水も独立して処理される。トイレやシャワーを備え、一定期間、生活できるようになっている。入院時の費用は、自己負担分が公費でまかなわれ、経済的理由による入院拒否を防ぐ。

 1種指定の長崎大病院では、特殊なマスクや防護服などを着用した医師や看護師らが訓練を実施。患者が二重扉と排気フィルターを備えた病室に運び込まれると、採血をしたり、生体情報モニターを取り付けたりした。

 厚生労働省は28日、新型肺炎の拡大に伴い、電話相談の窓口を設置したと発表した。加藤勝信厚労相は「国民の不安に丁寧に対応するため、問い合わせに対し適切に答える」と述べた。

 電話番号は03(3595)2285。受付時間は午前9時から午後9時まで。(共同)