吉野川市は28日、自治会などが集めた「緑の募金」約74万円を横領したとして、産業経済部農林業振興課の40代男性課長補佐を懲戒免職処分にした。既に全額を返済しており、刑事告訴は見送る。また、飲酒運転をした市民部環境局運転管理センターの50代男性技能員を同日付で停職3カ月の懲戒処分にした。
課長補佐は、自治会が支所などに持ち込む緑の募金の収集業務を担当。昨年9月27日から12月16日までの間、募金を会計課の金庫に入金せず、複数回にわたって計74万4400円を持ち帰った。
各支所が記録している募金額より現金が少ないのに他の職員が気付き、12月16日に課長補佐に尋ねたところ、持ち帰りを認めて即日市に返した。
課長補佐は「時間が遅くて金庫に入金できなかった。プライベートで千円札が必要になり、募金で両替していた」などと釈明したという。課長補佐は昨年度も募金を持ち帰ったとしており、市は一連の行動を業務上横領に当たると判断した。
技能員は1月18日午後3時ごろ、乗用車を飲酒運転して市内の商店へ行った。買い物中に60代女性の乗用車が技能員の車に当たり、駆け付けた警察官が飲酒運転に気付いた。県警が道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで事情を聴いている。
市は、課長補佐に対する管理監督責任として上司3人を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分とし、技能員の上司3人も口頭厳重注意などとした。原井敬市長は給与の30%、岡田芳宏副市長も20%を減額(1カ月)する。
市役所で記者会見した岡田副市長ら幹部7人が陳謝し、原井市長は「信頼回復に向けて最大限の努力をする」とコメントした。