徳島県の音楽事業に関わる音楽プロダクション「アンサンブル・セシリア」(東京)と川岸美奈子代表取締役(57)が脱税容疑で東京地検に告発された問題を巡り、飯泉嘉門知事は5日の定例会見で、支出のチェック体制の甘さが指摘されていることについて、音楽事業費の積算が適正な水準にあるかどうかを再検証する考えを示した。

 知事は、事業費の積算はこれまで、過去の事例や実績を踏まえて個々の細かな費目別ではなく、全体枠としての経費を算出し、業者に委託してきたとの経緯を説明。「その積算が甘かったか、甘くなかったのか、しっかりと検証する」と述べ、他の自治体の類似事例と比べるなどして確認する考えを示した。

 県は、県内の文化団体や有識者らでつくる「文化立県とくしま推進会議」が積み立てている基金や県文化振興財団などを通じてイベント会社などに事業費を支出している。

 そのため、資金の流れが不透明でチェック機能が働きにくいという指摘があることに対しては「税金の使われ方として、1円1円どこに行ったのかというよりは、出したお金がどのようなアウトプット(成果)を生んだのかが大事だ」と述べ、文化事業の発注など実施手法の見直しについては慎重な姿勢を示した。

 委託業者から川岸氏に渡った金の流れを調査するかどうかについては「契約外の話だ」として、起訴などされていない現時点では否定した。

 知事は「適正な納税は法人として第一の義務。それが果たされなったことは断じて許されない。記念オーケストラはもとより、県の信用を失墜させたことは誠に遺憾で残念だ」と述べ、県の音楽事業に今後携わることはないとの見方をあらためて示した。