メキシコで販売するポカリスエット

 大塚製薬(東京)は、メキシコに清涼飲料水・ポカリスエットを販売する子会社「大塚ニュートラシューティカル メキシコ」を設立したと発表した。メキシコは、1980年に日本で発売したポカリスエットの開発アイデアが生まれた場所で、本格的に販売を行うのは初めて。
 
 「ニュートラシューティカル メキシコ」は、中部ハリスコ州に本社を置く。資本金500万ドル(約5・5億円)で昨年8月に設立し、社員14人で9月から営業を始めた。

 大塚製薬の日本の工場で製造したペットボトル(500ミリリットル)入りのポカリスエットをメキシコの小売店を通じて販売する。新会社は現地でマーケティングや販促活動を行ってブランド価値を高め、販路を広げる。販売目標などは非公表。

 大塚製薬によると、メキシコでは近年健康への関心が高まり、運動を生活に取り入れる人が増えている。飲料の市場規模は世界4位とされ、中でも機能性飲料が伸長。2018年から同国でポカリスエットのテスト販売を行い、市場の拡大が期待できるとみて、本格的に販売を始めることにした。

 ポカリスエットは海外では中国、韓国、インドネシア、タイなどに販売を行う子会社があり、アジアを中心に20カ国・地域以上で売られているが北中米での本格販売は初めて。大塚製薬は「メキシコで健康飲料の新たな市場を創造したい」としている。

開発アイデア誕生の地
研究員 視察中の脱水症状が契機

 4月で誕生から40年を迎えるポカリスエットの開発アイデアは1970年代前半、大塚製薬の研究員がメキシコに出張した際の実体験から生まれた。

 同社によると、飲料開発のためにメキシコで熱帯果実を視察していたところ、激しい下痢に襲われて脱水症状に陥った。現地の病院で医師から薬と一緒に水分補給のための炭酸水を手渡され、「もっと人間の体に合った、吸収のいい飲み物がないだろうか」と思い付いたという。

 医薬品メーカーである大塚製薬では、手術後の医師が栄養補給のために点滴液を飲むことが知られていた。これをヒントに研究を進め、点滴液の改良ではなく、汗で失われる水分と電解質をスムーズに補給できる「汗の飲料」をコンセプトに加えて開発がスタートした。