「米国第一主義」を掲げて世界を揺さぶるトランプ大統領が再選を果たすのか。注目の大統領選がいよいよ本格化する。

 全米に先駆け、中西部アイオワ州では日本時間の4日、共和、民主両党の指名候補を選ぶ党員集会が開かれる。

 共和党は再選を目指すトランプ氏の指名が確実視されているのに対し、民主党は11人が名乗りを上げる激戦となっており、誰が候補になるか予断を許さない状況だ。

 トランプ政権の3年間では世界経済が減速する中、国内経済は底堅さを維持してきた。一方で、富裕層と低所得者層の格差が拡大し、社会の分断が加速。外交・安全保障面でも孤立主義や場当たり的な政策が目に付く。

 両党間では既に激しい批判合戦が繰り広げられている。本番でも非難の応酬といった皮相な争いが目立つようでは困る。各候補は、政策はもとより自国の将来像や世界との関わり方についても真剣に議論を戦わせてもらいたい。

 予備選で注目されるのが、政権奪還を目指す民主党の指名争いだ。

 全米の各種世論調査では、バイデン前副大統領とサンダース上院議員、ウォーレン上院議員、インディアナ州の前サウスベンド市長ブティジェッジ氏らが有力とされる。

 各候補とも、減税によって経済成長を促そうとするトランプ氏とは対照的に、富裕層や企業への増税で中間層の立て直しを訴える。

 前回大統領選で若者の人気を集めたサンダース氏と最左派のウォーレン氏は、経済政策で重なる部分が多い。富裕層への課税のほか、インフラ投資による大規模な雇用創出を主張する。

 中道バイデン氏はサンダース氏らの急進的な主張と距離を置く。トランプ政権の巨額減税を見直し、法人税の引き上げなどを掲げる考えだ。

 3人はいずれも70代と高齢で、38歳のブティジェッジ氏が若さを武器に旋風を起こす可能性もあるという。

 共和党は、党内支持率9割前後を固めるトランプ氏の指名が事実上決まっている。

 追い風となっているのが好調な経済だ。トランプ氏はその要因として「過去最大の減税と税制改革」を強調、さらなる減税も示唆する。

 ウクライナ疑惑を巡る上院の弾劾裁判で無罪評決が下る可能性が高まったこともプラスに働きそうだ。

 とはいえ、懸念材料は少なくない。大型減税と歳出拡大で財政赤字は悪化している。政治姿勢への反発は根強く、支持率より不支持率が上回る状態が続く。中国発の新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、経済の先行きも不透明になってきた。

 選挙戦が劣勢となれば、有権者受けする新たな景気浮揚策やルールを無視した通商政策を打ち出すことも考えられる。11月の本選まで、世界もトランプ氏の動向を注視せざるを得ない。