2016年に徳島県警に寄せられたドメスティックバイオレンス(DV)の相談件数は過去最多の394件に上り、このうち男性被害者からの相談が65件と16・4%を占めた。近年、男性からの相談が右肩上がりで推移しており、県警は「DVや相談制度への認知度が高まり、男性も被害を自覚するようになってきたのではないか」とみている。

 11~16年の相談件数と男女別の内訳の推移は《グラフ》の通り。11年は男性からの相談が5件(2・1%)だったが、12年は15件(5・9%)、13年26件(9・4%)、14年41件(10・9%)と増加。15年は37件に減ったが11・0%を占めた。

 相談内容は、妻や恋人から身体的な暴行を受けたと訴えるケースが大半を占めている。具体的には「口げんかになり頭をたたかれたり髪を引っ張られたりした」「眼鏡を手でたたき落とされた」「顔や体を爪で引っかかれた」などだった。

 16年夏には、妻に投げ付けられた包丁が足に当たってけがをしたとの相談がきっかけで、傷害容疑で妻が摘発される事件もあった。

 ただ、体格や力の差があるため、県警の担当者は「男性が被害者の場合は、直接命にかかわるような深刻なケースは少ない」としている。

 一方、16年に県警が男女の相談者に勧めた対応策で最も多かったのは、住民基本台帳の閲覧制限の方法を助言するなどした「援助」の94件(前年95件)。裁判所から保護命令が出されたのは5件(7件)だった。刑法やDV防止法で摘発したのは16件(傷害7件、暴行8件、その他1件)で、前年より13件減少した。