国内記録よりも2日遅く観察されたキトンボ=1月29日、那賀町小仁宇(橋本さん提供)

 赤トンボの仲間で成虫では越冬できないキトンボの雄1匹が、1月29日に那賀町小仁宇の小仁宇工業団地内の池で見つかった。日本で最も遅くまでキトンボが見られた記録は1月27日となっており、国内記録を2日更新した。専門家は「温暖化の影響で長生きしているのではないか」とみている。

 同町土佐の接骨院経営橋本佳直さん(69)が確認した。橋本さんは4年ほど前から昆虫を観察するため冬季に池へ訪れており、今年は元日からほぼ毎日池に通い、キトンボの姿を追った。

 29日午後1時半ごろ、池のほとりの枯れ葉に止まっているのを見つけ、写真や動画を撮影。20秒ほどで飛び立った。それ以降は見掛けていないという。

 キトンボの成虫は通常、6~12月に見られる。日本トンボ学会員の吉田一夫さん(63)=阿波市市場町=によると、国内での最も遅い観察記録はトンボ自然公園(高知県四万十市)での1月27日(2008年)だった。

 吉田さんは「温暖化が影響しているのだろう。トンボが長く見られるのはうれしいが、複雑な気持ちだ」と話した。