除菌消臭剤の原料となる藍の種=徳島市のマジックラボ

 除菌・殺菌剤メーカーのマジックラボ(徳島市)は、藍の種に含まれる抗酸化成分を使った除菌消臭剤を開発した。感染力の強いウイルスにも効果があり、天然由来成分のためアルコールなどの薬剤に抵抗感がある消費者でも安心して使えるのが利点という。5月にも販売を始める。

 除菌消臭剤は、藍の種を粉末状にしてエタノールを加え、蒸留して抗酸化成分を抽出する。同社は、アルコールでは除菌できないインフルエンザウイルスやノロウイルスにも効果がある弱酸性次亜塩素酸水を使った除菌消臭剤を製造しているが、社内試験では藍の種も同等の効果が得られたという。

 民間検査機関の日本食品分析センター(東京)で効果を検証しており、結果が得られ次第、商品化する。そのまま噴霧するスプレータイプと、水で薄めて使う原液タイプの2種類を用意。原液タイプは薄めて加湿器に入れ、部屋の隅々まで行き渡らせる空間除菌にも使用できる。いずれも価格は未定。

 同社は、かんきつ類などの種に含まれる抗酸化成分が殺菌作用を持つとの国内外の研究成果に着目。2020年の東京五輪の公式エンブレムに藍色が採用され、県産の藍に注目が集まっていることから、藍の栽培に取り組んでいる城西高校(徳島市)から種の提供を受けて開発を進めた。藍の種1グラムに対し、スプレータイプで10リットル製造できる。

 県内の土産物店や都市部にある県産品のアンテナショップなどでの販売を考えている。同社は「販路を広げることで、藍の生産の拡大や知名度アップに貢献できれば」としている。