巣立ちしたなる㊨のもとに集まった蓮㊧とあさ=午前5時10分ごろ、鳴門市大麻町

 鳴門市大麻町で生まれたコウノトリの雄の「なる」が8日明け方、巣立ちした。きょうだいの雄の「蓮(れん)」、雌の「あさ」から遅れること6日。3羽の幼鳥がそろって鳴門の大空を舞った。

 午前5時すぎ、なるは南から吹く弱い風を受けて南の方向へ飛び出した後、約30秒間飛行し、巣の南側の田んぼに着地した。先に降りていた蓮とあさが着地を祝うように、なるのもとに集まった。なるは田んぼをくちばしでつついて餌を探すなど、元気な姿を見せた。

 毎朝散歩しながら、なるの巣立ちを待っていた近くの榊忠雄さん(69)は「待ちに待った日だ。うれしい」と笑顔を見せ、妻あさ子さん(69)は「無事に巣立ってくれて本当に安心した」と涙ぐんだ。

 野外で生まれたひなが巣立ったのは、国内で野生のコウノトリが絶滅した1971年以降、兵庫県豊岡市とその周辺以外では初めて。8日午前の時点で、コウノトリの野外での個体数は、なるが94羽目となった。

 徳島県内の官民でつくるコウノトリ定着推進連絡協議会の竹村昇会長(64)は「ようやく3羽が巣立ててよかった。親鳥は飛び方などを教えてやってほしい」と話した。