続々と競技場内に集まるランナー。気分は陸上選手

 2月に入り、週末には各地でマラソン大会が開かれています。私は早春の讃岐路を駆ける「香川・丸亀国際ハーフマラソン」に初出場しました。“超高速レース”でおなじみの大会です。記録を狙いやすい大会でもあり、フルマラソンで前日本記録保持者の設楽悠太さん(ホンダ)らトップ選手も顔をそろえました。

 香川県丸亀市のPikaraスタジアムに約1万人が集まりました。ハーフの大会でこれほどの規模は初めての経験です。トイレだけでなく、手荷物を預けるのにも長蛇の列。にぎやかな雰囲気に次第に気持ちも高ぶります。

 コースはほぼ平たんの約21キロ。スタジアムが発着点となり、県道33号線を進んで坂出市内を折り返します。

スタートするランナーたち。スタートラインははるか前方=香川県丸亀市

 いよいよ号砲です。とくしまマラソンでもおなじみのウェーブスタート(時間差スタート)でした。私は第2ウェーブ。目標は「1キロ5分」(約1時間45分で完走)、心が折れたときは「サブ2」(2時間未満)としました。

 ウェーブスタートといってもスタート時の混雑は想像以上。無理に追い抜いたり、隙間を見つけて前に進んだりするのは疲労やストレスがたまるだけなので、集団の流れに身をゆだねます。10キロ過ぎまでは5分10秒前後で走り、まあ順調です。しかし、まだまだ人が多く、勝負はラスト5キロと考えました。欲を出してはいけません。

市街地では太鼓演奏や獅子舞でランナーを励ます

 市街地なので声援も多く、獅子舞や太鼓演奏など地域性にあふれたおもてなしです。このまま心地よいペースで走るのもありかな、と思っていた14キロ過ぎ、急に体が重くなる感じに・・・。「お待たせしました」と心の中のリトル(矢)が登場です。

 「今日、ちゃんと準備運動したか?」「いや、設楽選手の写真を撮っていました」

 「朝ごはんは食べたか?」「いや、お腹空いてなかったので」

 少しずつスピードが落ちていきます。持病の“止まりたい症候群”も発症。けど、ここで歩けばサブ2すら無理になります。「カレーうどん、ぶっかけうどん、釜玉」。ゴール後に何を食べるのかを考えながら、ネガティブな気持ちを奮い立たせました。勝負のラスト5キロで力を絞り出たのは、まさかの“食欲”。1時間57分でゴールし、最低限の目標は無事に達成しました。

ゴール周辺。力強い応援で最後の一踏ん張り

 少し甘く見ていたのかもしれません。ハーフの距離なら毎月2、3回練習し、ペースはフルマラソンを想定して早くて1キロ5分30秒弱で走っています。ハーフのみのレースなら、通常より早いペースで走れると考えていました。本番前の準備不足と、練習以上のペース配分が原因と考えられます。

 フルマラソンは記録が伸びる一方、ハーフマラソンの記録は、サブ4(フルマラソン4時間未満で完走)の達成前のほうが良かったです。3~4年前は1時間45分を切れていました。その頃より練習量は増えているのですが、一向に記録更新の気配がありません。最近はどの大会に出ても、どんなコースを走っても1時間50分台を記録。友人から「安定のサブ2」と皮肉られています。

 今回の大会では、ハーフマラソンの日本新記録が誕生しました。小椋裕介さん(ヤクルト)が1時間0分0秒でゴール。さすが超高速レースと言われるゆえんです。私も「あやかって…」と意気込んだものの、いつもと変わらない平凡なタイム。少し落ち込んでいたら、「あわラン」を読んでくれている先輩ランナーが声を掛けてくれました。「あんまり早く走りすぎたら読者が離れていくよ。失敗の話に共感するんでよ(笑)」。なるほど。この期待には自然と応えられそうです。(矢)