花粉症にとりつかれて30年余り。春の気配が漂えば、マスクは親しき友となる。それなしでは乗り越えられない。スギ花粉の飛散が始まり、本番近し。ところが、わが相棒が店頭にない。

 言うまでもなく「新型肺炎」の影響だ。一斉に買い求めた結果、コンビニからも消えてしまった。先行きを案じていたら、近くのドラッグストアに突然の入荷があり、運良く1箱入手できた。うれしいことに「お徳用」、60枚入りである。

 たかだか1箱数百円の品だが、ネット上では1万円以上で転売されていた。品薄になれば、値は上がる。商売の道理とはいえ、弱みに付け込む不届き者としか思えない。困った時こそ助け合い、ではなかったか。

 果ては「マスクを無料配布」と偽メールを送り付け、飛びついた人の個人情報を盗み出す輩まで。罰当たりである。新型ウイルスも怖いが、メールにウイルスを忍ばせる人間の不気味さにはかなわない。

 「いつになったら手に入るのか」。疑問に応えてくれる情報がない以上、われ先にと買い求めるのは無理からぬこと。幼子やお年寄りが家族にいればなおさらだろう。

 SNS上では、手作りマスクが話題という。ないなら作る。窮地を逆手の自衛策だ。暖冬で花粉の飛散も早まっている。「ウイルス厳戒」がなおも続けば、おちおち人前でくしゃみもできない。