8日午前1時15分ごろから同2時25分ごろまでの1時間10分の間に、吉野川、阿波両市で住宅や倉庫の火災が3件相次いだ。計4棟を全焼したが、いずれもけが人はいなかった。半径約7キロ圏内で発生しており、阿波吉野川署は、不審火の可能性があるとみて3件の関連や出火原因を調べている。
署や徳島中央広域連合消防本部によると、1件目は午前1時15分ごろ、吉野川市山川町翁喜台の倉庫=木工所経営益田勉さん(59)所有=から出火。木造平屋約40平方メートルを全焼し、約1時間45分後に消えた。倉庫から北へ約100メートルの畑にあるビニールハウスの一部も焼けていた。
2件目の火災は同1時50分ごろ、吉野川市の現場から北東へ約16キロの阿波市土成町吉田の倉庫=鉄骨平屋約200平方メートル、農業村山秀文さん(51)所有=で発生し、約2時間50分後に消えた。
さらに同2時25分ごろ、この倉庫の南西約7キロに位置する同市市場町山野上で3件目の火災が発生。一鷹(いちたか)梅雄さん(83)方の倉庫=木造平屋約40平方メートル=から火の手が上がり、北隣にある木造2階建ての母屋=延べ約180平方メートル=に延焼した。一鷹さんは1人暮らしで、出火に気付いて逃げ出した。
それぞれの現場では鎮火後、県警や消防本部が現場検証を進めた。消防関係者によると、いずれの倉庫も木材や農機具などを保管しており、火の気はなかった。
各現場には消防隊員や消防団員らが続々と駆け付け、消防車計10台以上が出動した。
消防など関係機関は9日未明、発生時間帯に合わせて現場周辺を見回るなど警戒を続けている。