「多頭飼育崩壊」という言葉をよく聞くようになった。犬や猫を無計画に飼い、数が増えすぎて世話ができなくなった状態をいう。飼い主の高齢化もあって近年、問題になっている。

 県動物愛護管理センターが2019年度上半期に収容した猫は430匹で、昨年1年間の約1・5倍に上るという。収容数が1件で100匹を超えるケースがあったほか、10匹以上も3件あり、県内でも「崩壊」例が目立ってきている。

 センターによると、栄養状態が良ければ、雌猫は年に4回出産することもある。雌1匹放し飼いにしていれば、あっという間に数は増える。全く外に出さない家猫として飼うにしても、避妊手術は必須だ。

 「多頭」の定義は飼い主による。2匹でも多すぎる場合がある。担当獣医師は、モラルの崩壊を嘆く。「ここに来るのは、ほとんどが、きれいな顔をした子猫や子犬。昔のような野良ではない。飼い主が困って捨てる例が後を絶たないんです」。

 愛護と名前は付いているが、センターでいつまでも生きられるわけではない。引き取り手がいなければ処分されるのである。犬猫も命は一つしかない。一生面倒をみるのが、飼い主の最低限の責任だ。

 収容数の急増を報じた本紙5日付朝刊の黒白猫は、引き取られて新たな生活を始めたそうだ。気になっていた方は、どうぞ安心を。