J2は全日程の6分の1に当たる7試合を終えた。徳島ヴォルティスは勝ち点9の12位と開幕ダッシュに失敗。守備の不安定さに加え、頼みの攻撃も支配したボールが得点に結びつかないなど課題は山積みだ。

徳島は3勝4敗。昨季の4勝1分け2敗と比べて勝ち星が一つ少なく、負け数は二つ多い。最大の要因は守備のもろさ。熊本戦は前半に先制しながら後半2失点し逆転負け。競り負けた岡山、新潟戦も失点の場面を除けば互角以上に戦った試合だった。

最終ラインの連係と、前線からのプレスに改善の余地がある。連動性がなく、個々に飛び込んで簡単にかわされる場面が目立った。球際の強さを発揮し、パスカットやセカンドボールへの寄せで常に相手を上回りたい。

徳島のボール支配率はリーグトップクラスだが、得点は7点で攻撃力に反映されているとは言い難い。15点と最も多く得点している大分、山口の半分にも満たない。FW山﨑は「相手にボールを持たされている時間もあった。決定的なチャンスはあまりつくれていない」と指摘する。

シュート数を見ると、昨季より12本少ない。DF内田裕の「もっとシュートの意識を高めたい」という言葉はチーム全体の意欲を代弁している。

選手の故障、強豪との連戦など要因はほかにもある。しかし、直面するこの課題を乗り越えなければ「巻土重来(けんどちょうらい)」は果たせない。