岩尾憲さん

 徳島ヴォルティスでは初となる4年続けての大役も「ピッチ上の指揮官」と言われ、心技体でチームをリードするこの人なら誰もが納得するだろう。しかし、本人は「4年連続の主将就任が良いのか悪いのか分からない。うれしい半面、責任も重圧も感じている」と打ち明ける。

 「チームがあって個人がある」がモットー。「チームの勝利を最優先に、自分に何ができるかを考え続けよ」と仲間に説き、何事も先頭に立って取り組む。全選手に目を配り、こまめに声をかける心配りは誰にでもできることではない。クラブからは昨季終了後の契約更改時に打診されており、11日朝の正式なオファーにも驚きはなかったが、引き受ける以上は覚悟を持って任に当たるつもりだ。

 「過去3年間、数え切れないほどの困難と向き合ってきた。そのたびにサポーターやチームメートと残してきた確かな足跡を信じる」。昨季惜しくもJ1昇格を逃したが、徳島で積み上げてきたことへの誇りがモチベーションとなっている。

 群馬県出身。華やかな経歴はなく日体大卒業後の2011年に当時J2の湘南でプロ入り。地道に努力を重ね、リーグ屈指の選手となった。プロ10年目の今季、自分の内側から湧き上がってきた思いは「J2優勝」。その一点を見詰めている。

 読書に加え、動画投稿サイトで英語の勉強も始めた。「今年もチームに英語を話すドゥシャンがいるしね」。あくまで仲間との輪を大切にする31歳の探究心は尽きない。