徳島県議会の2月定例会が、きょう開会する。

 精査すべきは、県債の新規発行を増やすなどして積極編成した2020年度の当初予算案と、新たに見直した県版総合戦略案である。

 一般会計当初予算案は、14年ぶりに5千億円規模となった。飯泉嘉門知事の1期目以来のことだ。知事は徳島県政史上初の5期目である。予算案と戦略案の中身と、知事の狙いの妥当性をしっかりと点検してもらいたい。

 県事業はここ数年、人口減少対策と防災・減災対策への重点投資が目立っている。20年度予算案も、その傾向に変わりはない。

 しかし、今年1月1日時点の県人口が72万7281人となり、対前年の減り幅が平成以降で最大となったように、県が直面している人口減少の現実は厳しい。

 県が将来の県人口について15年度に策定した計画では、20年までに転出者と転入者を均衡させるとしていた。ところが、昨年は転出が転入を3割超も上回り、目標達成は遠のいている。

 60年時点の人口目標については「60万~65万人」と設定し、128の関連事業に取り組んできたが、早々と「55万~60万人超」に下方修正している。

 県議会事前委員会での県答弁によると、地方創生関連の事業に5年間で2303億円が費やされたという。県は「実証実験」と銘打って数々の施策を講じてきた。チェックが十分だったとは言えず、県議会の責任も小さくない。

 気掛かりなのは、知事と県議会がなれ合いに陥っていないかということである。

 例えば、県人口の目標の下方修正は重大な変更であるにもかかわらず、県議会が追及した様子はうかがえない。

 13年6月定例会の一件を思い起こしてほしい。

 中国湖南省―徳島間の航空チャーター便がわずか2カ月で失敗に終わった分析も満足に行わず、別のチャーター便計画を打ち出した知事を、当時最大会派の会長だった竹内資浩氏(故人)が激しく批判した。知事は事業の失敗を本会議で陳謝している。

 血税の使い道を決める知事との間で、県議会が緊張感を欠いているようでは困る。県政運営が長期に及んでいる飯泉知事に対しては、なおさらである。

 そういう意味では、徳島市の新ホール整備に対する県議会の姿勢も問われている。

 飯泉知事と一緒になって市を追い詰めるような態度でいいのか。県市の不協調を増幅させており、県民の多くが望んでいる形とは到底思えない。県民の利益は何かという基本に立ち返り、過去の経緯も含めて改めて議論する必要がある。

 半年後に迫った徳島駅前のそごう徳島店の撤退問題も、県全体の活力に関わる重要案件だ。積極的に意見を交わし、実のある提言をしてもらいたい。