牟岐町教育委員会の男性職員=当時(53)=が2015年に自殺したのは、町が健康配慮義務を怠った過重労働が原因として、50代の妻ら遺族が町に慰謝料など約6700万円の損害賠償を求める訴訟を徳島地裁阿南支部に起こした。提訴は1月24日付。

 訴状によると、男性は1987年から町教委職員として勤務し、公共施設の管理や文化財保護を巡る町民との交渉などを担当。2010年ごろから体調を崩した。管理職になった14年4月から業務が増えたため、妻や上司に管理職を辞めたいと相談するようになった。15年6月2日未明に自宅で首をつっているところを妻が見つけた。

 職場にタイムカードがなく、遺族が自宅のカレンダーの記録などから男性の労働時間を調査。自殺直前には1カ月の時間外労働が100時間を超えた月もあった。総労働時間は最も多い月で約265時間あった。

 男性の妻は地方公務員災害補償基金に公務災害の認定を申請したものの、公務外の災害と認定された。

 遺族は「過重労働に漫然と従事させ、自殺に追いやった。勤務状況は極めて過酷」と主張。大森博文副町長は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。