92回目にして初というから、ハリウッドも随分と保守的である。アカデミー賞最高の栄誉、作品賞が、外国語映画としては初めて「パラサイト 半地下の家族」に贈られた。カンヌ映画祭での最高賞パルムドールも獲得したポン・ジュノ監督、全編韓国語の韓国映画だ。

 大金持ちの豪邸に首尾よく潜り込んだ全員失業中の家族が織りなすドタバタ劇を通して、韓国の格差社会に切り込んでいる。主演は「タクシー運転手」などで日本でも知られるソン・ガンホさん。

 作品を、こう評する。「貧富の格差は韓国だけでなく、資本主義社会に共通する話だと思います。だからこそ多くの国で共感されているのではないでしょうか」。ドル、円が共通語として通じる世界だからこそ、苦しさや貧しさの形も、いつしか似たものになってくる。

 日本同様、少子高齢化が進み、独り暮らしも増えている。どん底の生活にあえぎつつも、固い絆を保つ人々の姿を追いながら、家族の価値を問う作品となっているそうだ。

 メーキャップ&ヘアスタイリング賞は「スキャンダル」のカズ・ヒロさんが2年ぶり2度目の栄冠をつかんだ。本名は辻一弘。米国籍取得を機に改名した。

 ヒロさんには、国籍なんて構わないじゃないか、とたしなめられそうだが、赤いカーペットを行き交うアジア人の姿は、やはりうれしい。