動画配信サイト「ユーチューブ」に投稿された動画で製品や職場環境を中傷され、社会的信用を損なう恐れがあるとして、日亜化学工業(阿南市)などが運営元の米ユーチューブ社に動画の削除を求めた訴訟の判決が17日、徳島地裁であった。川畑公美裁判長は請求を認め、動画削除と発信者情報の開示を命じた。

 川畑裁判長は判決理由で「動画は原告の信用を毀損し、社会的評価を低下させるのは明らか。公益を図る目的のものではなく、会社が重大にして回復困難な損害を被る恐れがある」と指摘した。発信者情報の開示についてもおおむね認めた。

 判決によると、2018年4月、日亜化学の元従業員を名乗る人物が、LEDの製造現場が不衛生であるほか、実在する社員からパワハラがあったとする2種類の動画や紹介記事をサイトに投稿した。同年6月に日亜化学がユーチューブに削除を申し立てたものの、応じなかった。

 地裁は19年8月8日付で、動画の削除や発信者情報の開示を求める仮処分命令を出した。命令を受けて動画は削除された。しかし、別のアカウントで同じ動画が再び投稿されている。

 日亜化学は「主張が認められ、仮処分命令の内容が維持される判決が出たことをありがたく思う」とし、代理人は再投稿された動画への対応を検討するとしている。ユーチューブの代理人は「コメントできない」とした。