なると金時の苗を植え替える島藤さん。恵みの雨を願う=徳島市川内町下別宮西

 徳島県内で空梅雨が続いている。7日に梅雨入りが発表されたものの、翌日以降は降雨がほとんどない。徳島地方気象台によると、今月の降水量(15日時点)は少ない所で平年の2割ほど。向こう1週間もまとまった雨はなさそうで、農業や工業への影響が懸念されている。

 気象台によると、1~15日の県内の降水量は、徳島市で24・5ミリ(平年82・8ミリ)、那賀町木頭で29・0ミリ(156・2ミリ)、阿南市蒲生田で34・0ミリ(104・6ミリ)など、各地で平年の2~5割ほどになっている。徳島市や阿南市蒲生田など5地点では9日から降水がない。

 梅雨入り発表時に四国付近に停滞していた梅雨前線が太平洋側に南下し、四国地方が高気圧に覆われているのが主な要因。

 「このまま少雨が続くと、正直厳しい」。徳島市川内町の約3ヘクタールの畑でなると金時を栽培する島藤託也さん(36)=同市川内町下別宮西=はため息をつく。

 2割ほどの苗が枯れかかっており、16日は700株を新しい苗に替えた。「良いイモを作るためにも、近いうちに一雨欲しい」と祈るように話した。

 JA徳島市によると、16日時点で出荷量が落ち込んでいる作物はないものの、少雨が続けばサツマイモや枝豆などの減収が予想されるという。

 吉野川、那賀川上流のダムの貯水量も減り続けている。王子製紙富岡工場(阿南市豊益町)は、パルプ製造などの工程で那賀川の水を利用しており、5月30日から自主節水を続けている。

 今のところ生産量への影響は出ていないが、「渇水が進むと一部機器を停止しなければならなくなる」(同工場事務部)と心配する。

 一方、徳島市のJRホテルクレメント徳島が運営するビアガーデンは、晴れ間が続いていることもあって活況だ。平日は100人、週末なら150人以上となる客数が雨の日は半分ほどに落ち込むといい、担当者は「雨が少なく、来店客数が安定しているので助かっている」と話した。