運転免許証を自主返納する65歳以上の高齢者が徳島県内で大幅に増えている。1~5月の返納者は1334人に上り、月平均では昨年の1・8倍になっている。3月の道交法改正で、高齢ドライバーの認知機能検査が強化されたことなどから、早めの自主返納を決断する高齢者が少なくないようだ。
県警運転免許課によると、昨年1月~今年5月の高齢者の自主返納数は≪別表≫の通り。今年の返納数は5月末時点で、年間で最多だった昨年1年間(1757人)の76%に達している。数カ月以内には昨年を上回る見通しだ。
自主返納は、高齢ドライバーが起こす重大事故が多発したことを受け、昨年11月から急増。今年1月には月別の返納数が過去最多の321人に上った。1~5月は月平均267人が返納し、昨年(146人)より100人以上多い。
運転免許センターによると、自主返納する理由は「高齢のため」「運転していない」などが多い。道交法の改正後は、強化された認知機能検査に引っ掛かったことをきっかけに「運転を続けるのは危ないと自覚した」「家族に促された」などの理由で返納に踏み切るケースがみられる。
また、徳島バスなど主要バス事業者が自主返納した高齢者への運賃半額サービスを1月に始めるなど、特典が充実してきたことも返納を後押ししているという。
運転免許課の担当者は「高齢ドライバーの事故を減らすため、今後も返納しやすい環境づくりを進めたい」と話している。