3月に鳴門市のボートレース鳴門(鳴門競艇場)に「爆弾を仕掛けた」と電話があり、レースが中止になった事件で、鳴門署は19日、威力業務妨害の疑いで東京都調布市、無職田多井誠一容疑者(54)を再逮捕した。容疑を認めている。

 再逮捕容疑は、3月26日正午ごろ、調布市内の公衆電話からボートレース鳴門に電話をかけ、応対した女性職員に「(場内に)爆弾を仕掛けた。午後2時ごろ爆発する」などと爆破を予告し、レースを中止させて業務を妨害したとしている。

 ボートレース鳴門は田多井容疑者の電話を受け、来場者1500人を屋外に避難させるとともに、午後に予定していた8レースを中止した。事件当日は約5億円の売り上げを見込んでいたといい、現在被害額を算定している。

 田多井容疑者は、3月12日に香川県丸亀市のボートレースまるがめに爆破予告の電話をかけたとする威力業務妨害の疑いで5月に香川県警に逮捕され、高松地裁で公判中。同県警の調べに対し、ボートレース鳴門の事件への関与をほのめかしていた。

 田多井容疑者の身柄は19日午前11時10分ごろ、丸亀署から鳴門署へ移された。

 同容疑者の逮捕を受け、ボートレース鳴門を管理・運営する市企業局は「顧問弁護士と関係団体で損害賠償請求の検討などを含めて協議していく」とのコメントを出した。