福田教授(右)、福見准教授らが開発を進めている藻場観測用のドローン=阿南市の阿南高専

 阿南高専が、県内沿岸の藻場観測用にドローンの開発を進めている。海面に着水して海中を撮影し、海水を採取する機能を備えるようにする。県南を中心に藻場の海藻が死滅する「磯焼け」が進んでおり、水中の画像や水温、水質のデータを定期的に収集して早期発見や対策に生かす。2~3年後の実証試験開始を目指している。

 阿南高専は、機体が防水加工され、水上で浮くようにフロート(浮き船)の付いた英国製ドローンを購入。創造技術工学科情報コースの福田耕治教授と福見淳二准教授、5年生3人のチームがこれに改良を加え、新型ドローンの開発に取り組んでいる。

 新型ドローンは上空から藻場全体の様子を撮影するとともに、海水面に着水し、水面を移動しながら水中の様子を撮る。着水すると自動的にスイッチが入り、電動モーターが水質検査用の海水をくみ上げる。温度センサーで水温も測れる。

 ドローンは人が海岸からコントローラーで操縦する。飛行距離は1・5キロほどで、1回の飛行時間は20分程度を想定している。将来的には衛星利用測位システム(GPS)や無線通信を使い、自動的に目的地に行き、撮影や海水採取を行って戻ってくるようにする。

 これまで、阿南高専のプールで撮影試験を行ったほか、ドローンに取り付ける採水装置の試作品を製作した。

 県水産研究課によると、磯焼けは美波町から海陽町にかけての県南沿岸部を中心に広がっている。高水温化によってアイゴやウニの活動が活発化し、食害が増えているのが主因とみられる。藻場の観測は現在、同課が県南海域の3カ所で年1回ずつ船を出して行っている。

 福田教授は「船による観測は手間や費用が掛かるのが課題。ドローンを活用することで手軽に、頻繁に観測できるようになり、意義は大きい」と話している。