8月にオランダのアムステルダムを訪問する中高生=神山町農村環境改善センター

8月にオランダのアムステルダムを訪問する中高生=神山町農村環境改善センター

 神山町は、町内の中高生を海外に短期派遣する「町国際交流プロジェクト」を始める。町の将来世代である子どもたちの国際感覚を養うとともに、神山や自分について見つめ直してもらうのが目的。初回は「アーティスト・イン・レジデンス」(AIR)事業で同町を訪れるアーティストの多いオランダのアムステルダムを訪問する。

 日程は8月13~21日の9日間で、日本との文化交流事業を展開する会社や、展示・ワークショップスペースを備えて文化拠点になっているホテル、アーティストと一般人の交流場所である市民工房などを訪問する予定。同世代の生徒と合同で芸術作品を作ったり、ホームステイ先で交流したりする。

 生徒7人を派遣し、町教委職員や通訳兼コーディネーターら3人が引率する。

 オランダは国内外から多くの芸術家を受け入れており、作家を招いて作品制作に取り組んでもらうAIR事業を続けている同町と共通点がある。AIRでオランダから訪問する芸術家も多いことから派遣先に決めた。

 町は関連予算638万円を2017年度一般会計当初予算に計上。渡航や宿泊、滞在中の食事などにかかる費用(1人当たり約35万円)への補助や、記録用の映像製作費、事前の研修費などに充てる。参加者の自己負担は町内在住者が4万円、町外から町内の高校に通っている者が8万円。事業は一般社団法人「神山つなぐ公社」に委託する。

 5月下旬に、作文や面接による審査で、派遣する中学生2人、高校生5人の計7人を決めた。オランダ大使館に勤務するバス・ヴァルクスさん(38)を招いた勉強会も開き、オランダの文化や日本との交流の歴史、違いや共通点などを聞いた。

 未知の体験を求めて志願した高橋克徳さん(17)=城北高校3年、同町神領=は「初の海外体験なので、価値観や文化などいろいろ感じたい」と意欲を見せる。

 高橋博義教育長は「多様な文化や価値観に触れて理解を深め、町の将来を担う人材に成長してほしい」と話している。