徳島大空襲などの体験を紙芝居にした田上さん(右)と小山さん=徳島市立木工会館

 1945年7月4日未明に徳島大空襲が起きた当時、小学生だった徳島市南沖洲1の田上セツコさん(79)の体験を基にした紙芝居ができた。同市津田海岸町の木工作家小山和子さん(54)が、田上さんから聞き取りして絵と文を制作。戦争の悲惨さを小さな子どもたちに伝えるのが目的で、23日に同市福島1の市立木工会館で初披露される。

 紙芝居は縦40センチ、横55センチの11枚。徳島大空襲が起きた太平洋戦争末期に、防空頭巾をかぶった田上さん一家6人が防空壕(ごう)に入る様子や、集団で空を飛ぶ米軍B29爆撃機、焼夷(しょうい)弾で真っ赤に燃え上がる空などがアクリル絵の具で描かれている。

 紙芝居の制作は、2011年から毎年、戦争をテーマにした催しを開いてきた市地場産業振興協会の上杉和夫理事長が50年来の知人の田上さんに持ち掛けたのがきっかけ。上杉理事長は同館での各種企画展をボランティアで立案している小山さんに協力を依頼した。

 田上さんは大空襲があった当時、沖洲国民学校(現沖洲小)の2年生。自宅庭にある防空壕に隠れて難を逃れた。沖洲地域の空襲被害は少なかったが「低空で飛び『ヒューン』と爆音を響かせるB29が怖かった」と振り返る。

 当時は食料が不足し空腹のあまり近くの田んぼにすむイナゴやタニシを捕って食べるひもじい思いをしたという。田上さんは「紙芝居を作る過程で当時の記憶がよみがえった。二度と戦争を起こしてはいけないという思いを子どもたちに伝えたい」と力を込める。

 紙芝居の実演は23日午前10時から。同館近くの阿波国慈恵院保育園の5歳児21人を招待し、小山さんが朗読する。小山さんは「田上さんが訴えたいことを忠実に表現するよう心掛けた。子どもたちがなじみやすいよう、柔らかいタッチの絵に仕上げた」と話した。

 今後も希望者向けに実演するほか、紙芝居の貸し出しも行う。問い合わせは市地場産業振興協会<電088(626)2453>。