子どもは発熱や嘔吐、下痢にともなって水分を失いやすく、食欲低下のために水分の取り方も減少しますから脱水症を起こしやすいものです。今月は脱水症について考えてみました。
人の体は約60%が水分で占められています。このうち3分の2は細胞内にあり、3分の1が細胞外にあります。子どもは年齢が低いほど水分の占める比率が高くなります。細胞内液は年齢に関わらずほぼ一定で、大きな異常がない限り変化することはありません。細胞外液は年齢が低いほどその比率が高くなります。これは血漿と組織間液からなり、水分不足によって変動しやすいものです。

 子どもが脱水症を起こしやすいのは、体に占める細胞外液の比率が高いこと、出入りする水分量が多いこと、腎臓の濃縮力が未熟で老廃物の排出に大量の水分を必要とすること、のどが渇いた時に自分で十分な水分補給が出来ないことなどの理由が挙げられます。

 人の体内環境は水分、電解質、pHなどあらゆる面で常に一定に保たれています。摂取した水分は電解質とともに細胞の内外を自由に出入りして常に一定の状態に保たれています。そこで摂取水分が少なすぎたり、喪失水分が多すぎたりすると、体液の状態を一定に保つために水分と電解質が移動して恒常性を維持するように働きます。しかし水分不足が大きすぎて細胞外液の調節だけで恒常性を維持出来なくなれば、細胞内液の状態にも影響が及びますから細胞組織が障害を受けて正常の生理機能を維持することが出来なくなります。

 子どもの脱水症は軽い疾患でも発生する可能性があります。注意して早めに水分補給することで防ぐことができます。