子どもは高熱で食欲がない時や嘔吐・下痢で大量に水分を失うと簡単に脱水症を起こすものです。軽い脱水症では食事や水分の補給に注意することで回復しますが、重症になると生命に関わることもあり、後遺症を残すこともあります。このような場合には入院して輸液など全身管理を厳重に行う必要があります。

 脱水症の重症度は体重減少によって喪失水分量を推測します。軽症では体重当たり3~5%の減少、6~9%の減少は中等症、10%以上の体重減少があれば重症の脱水症と判断します。軽症の脱水症では明らかな症状が見られることはありません。中等度の脱水症では循環血液量や組織間液の減少を招きますから皮膚粘膜の乾燥や涙の減少、脈拍の速迫、尿量の減少が見られます。水分不足の状態でも我々の身体は重要な生理機能を維持するために様々な代償作用が働きます。

 しかし重症の脱水症では代償作用が破綻しますから生命に関わるような症状が出現します。血圧の低下、脈拍の微弱、尿量の減少から無尿、皮膚の緊張感が無くなり、粘膜はカラカラになります。乳児では大泉門が陥没し、眼球が落ち込み、意識障害が出現します。

 一般に多くの脱水症は予防可能です。感冒による食欲の低下や嘔吐のある時には少量頻回の水分と電解質の補給を行います。腸管粘膜の吸収機序から水分は電解質、ブドウ糖を一緒に補給すると吸収が良くなります。下痢をしていても水分の吸収機序は保たれていますから絶食にするよりは少量の経口補水液を頻回に与えることで脱水症を予防することができます。