徳島県の飯泉嘉門知事は20日の県議会6月定例会本会議で、数々の問題点が指摘されている「とくしま国民文化祭記念管弦楽団(とくしま記念オーケストラ)」の事業廃止を迫る議員の質問に対し、2018年2月に開くベートーベン第九交響曲アジア初演100周年のコンサートを区切りとし、その後については廃止も含め見直す考えを示唆した。

 嘉見博之氏(自民)が代表質問で、東京の音楽プロダクションと代表取締役が脱税容疑で告発されたのをきっかけに記念オーケストラに関するさまざまな問題が浮上していることを受け「文化行政の(不公平さに対する)不満、不透明さが浮き彫りになった」と指摘。多額の事業費が記念オーケストラ事業に拠出されている状況を問題視し、廃止を含めた抜本的な見直しを求めた。

 知事は「今回の事案の発生を受け、事業の廃止も真剣に考えた」とする一方で、成果も強調。その上で「(来年の)第九アジア初演100周年のメモリアルコンサートが集大成となるよう実施したい」と理解を求めた。

 事業費を拠出している「文化立県とくしま推進基金」については、嘉見氏が議会の議決を経ずに基金から事業費が拠出されている流れを踏まえ、「(基金が)事業の透明性を低下させている」と指摘し、制度の改善を求めた。

 知事は「県予算の審議を念頭に、基金の事業計画を案の段階で議会に示すなど、必要な方策について検討を深めたい」と答えた。事業の運営体制についても、知事は「県の自主性を発揮していく」と見直す考えを示した。

 嘉見氏はまた、音楽プロダクションと代表取締役に渡った金額などについても詳細な説明を求めた。

 知事は、見積書などから「おおむねの額」の算出を進めていることを説明。演奏会経費についても、他県などと事業費の比較を行っていることを明かし、「旅費、宿泊費、楽器運送料などの経費に関して距離を考慮した補正を行えば、演奏家のレベルに左右されるものの、他団体とほぼ同程度ではないかと見込まれる」と述べた。