徳島県は9日、徳島市沖で採取したアカガイから過去最高濃度のまひ性貝毒が検出されたと発表した。県は危機管理連絡会議を開いて漁業者に対する出荷自主規制の徹底や、潮干狩りを控えるよう県民に強く求めていくことを確認した。
漁業者がアカガイについての調査を県に依頼し、県が4日に採取したところ、9日に出荷自主規制値(1グラム当たり4マウスユニット=MU)を大幅に超える180MUの貝毒が検出された。むき身1個(約15グラム)で致死量(体重60キロの人で3千~2万MU)に達する可能性がある。県沿岸では2010年に天然カキから出た93MUが最高だったが、これを2倍近く上回った。
県沿岸では3月下旬から、貝毒の原因となるプランクトンが大量に検出される事態が続き、県は鳴門市のウチノ海を除く県沿岸全域で二枚貝の出荷自主規制を指導している。これまでに健康被害は報告されていない。
徳島県によると、大阪府沿岸ではアカガイから150MU、兵庫県沿岸ではアサリから170MUの貝毒がそれぞれ検出されており、周辺海域でも貝毒がまん延している。
危機管理連絡会議では、風評被害が出ないよう二枚貝以外の魚介類の安全性についても周知することを確認した。