徳島県が整備した松茂町の月見ケ丘海浜公園が、ことし開園10周年を迎えた。平日でも多くの家族連れらが訪れ、年間来場者数は30万人以上をキープしている。ただ、10棟あるコテージは通年の稼働率が上がらず、過去最高だった2016年度でも5割超にとどまっている。利用が少ない冬場の集客対策が課題となっている。
月見ケ丘海浜公園は、県が徳島空港周辺整備事業の一環として設け、07年4月1日にオープンした。広さ約14ヘクタールの園内に、子ども向け遊具や芝生広場のほか、コテージなどの有料施設があり、約300台分の駐車場を備えている。
来場者数は最初の07年度に39万1180人を記録。翌年度に大きく減らしたが、最近は増加傾向で16年度には38万200人が訪れた。徳島市内から子ども2人と訪れた松本貞治さん(34)は「子どもたちは芝生広場で走り回るのが好き。空港に離着陸する飛行機も見られて楽しい」と話す。
コテージや研修室など有料施設の料金収入は、開園以来、右肩上がりで07年度の1862万円から、16年度には2811万円に上った。コテージの利用が増えているのが主な要因だ。ただ通年の稼働率は、07年度の36%から増え続けているものの、16年度で55%にとどまっている。
季節により大きな差があるためで、水遊びやバーベキューなどが楽しめ、学校の夏休み期間を含む7、8月は100%に近づくが、冬場の2月は30%に届かない。
公園の指定管理者であるスタッフクリエイト(徳島市)の民恭典事業開発本部長は「旅行サイトと連携して簡単に予約できるようにしたり、冬の閑散期の料金を値下げしたりしている。今後もコテージの稼働率向上に取り組んでいきたい」としている。
軽食などを提供していたビジターセンター内のレストラン「カフェ・ド・ロセアン」が、運営する企業の業績悪化により4月いっぱいで閉店し、空きスペースができている。
県都市計画課は「来園者の利便性向上のため、一日も早く新しい業者に入ってもらえるよう努めたい」としている。