鳴門市のボートレース鳴門(鳴門競艇場)に「爆弾を仕掛けた」と電話してレースを中止させたとして、威力業務妨害容疑で鳴門署に再逮捕された東京都調布市国領町、無職田多井誠一容疑者(54)=同罪などで公判中=が、当日出場予定だった特定の女子選手の引退を狙い、犯行に及んだ可能性が高いことが21日、分かった。県警は同日、田多井容疑者を送検した。

 捜査関係者によると、田多井容疑者は3月12日に香川県丸亀市のボートレースまるがめ、4月6日に日本モーターボート競走会丸亀支部に電話し、女子選手の名前を挙げて「引退させるよう上の人に言え」などと脅迫。威力業務妨害などの容疑で、香川県警に逮捕された。

 3月26日にボートレース鳴門にかけた電話では女子選手の名前は挙げなかったが、時期や手口が似ていることなどから、同じ動機による一連の犯行の可能性があるとみて、県警は詳しく調べている。

 捜査関係者によると、田多井容疑者はもともと女子選手のファンで、出場レースの舟券を買ったりファンイベントに参加したりしていた。何らかの理由で逆恨みするようになり、この選手が出場する予定だったボートレース鳴門やボートレースまるがめに電話して脅迫したとみられる。