建設中の高架道路が夕焼けに浮かぶ今切川河口。漁を終えた船が次々と帰ってくる=松茂町長原

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 今切川は吉野川の派川の一つ。北島町高房で旧吉野川から分かれ、大きく弧を描くようにして紀伊水道に流れ込んでいる。

 延長11・5キロと短いものの、常に川幅いっぱいに水が流れている。古くから水運の航路に使われた川で、明治期から昭和初期にかけては徳島と鳴門を結ぶ巡航船も行き交っていたという。

 河口を訪ねた。松茂町長原の長原漁港の堤防に沿う道を車で進み、路面に大きく「いまぎれ川」と描かれた場所に出た。

 沖合へ視線を送ると、突堤が紀伊水道に向かって延び、遠くに赤い灯台が見える。大きな消波ブロックがずらりと沖に向かって並ぶ様は壮観。来たついでに灯台まで行ってみることにした。

 歩くと結構長い突堤である。波で削られて骨材の玉石が頭をのぞかせ、靴越しに足の裏を刺激する。「はだしで歩けば足つぼマッサージに最適かも」などと思いつつ歩いた。

 灯台の台座から西の方角を振り返ると、広い川の向こうに工事中の四国横断自動車道の高架が見えた。折しも日没の時間帯。空と水面を赤く染めながら、太陽が高越山の尾根筋に沈んでいく。漁を終え、帰路を急ぐ漁船が波静かな川面を横切り、美しい波紋を描いていった。