滞在型加工施設「食業工房さなごうち」の完成予想図

 移住支援を進めている佐那河内村は、宿泊機能を備えた農産物加工施設を整備する。移住を検討している人にしばらく滞在してもらい、農産物加工の起業について検討してもらう。村民が加工品の製造に使うこともでき、主要産業の農業の振興につなげたいとの期待も込める。8月にも着工し、来年4月のオープンを目指す。

 佐那河内村下の村民体育館近くの村有地に建設する。鉄骨2階建て延べ約390平方メートル。1階に総菜や菓子などの製造ができる加工室を4部屋と販売スペース、2階には風呂やトイレなどを完備した宿泊用の個室2部屋と、会議やイベントなど多目的に使える交流室を設ける。

 起業希望者が滞在しながら1階で加工品を開発したり技術を習得したりして、村内での独立につなげることを想定している。加工室や販売スペースは村民も利用する。

 村は移住支援に力を入れているが、移住希望者が生活を体験する宿泊施設や滞在施設がないのがネックだった。高齢化などで村内の事業所は減っており、移住者の就労の場として起業は有力な選択肢となっている。

 村には現在、公的な加工施設として役場横の村農業総合振興センターがある。新施設が完成すればより多くの加工品を製造できるようになり、生産者らの所得向上にもつながると見込む。

 食と職業が交わる場所との意味を込め、名称は「食業工房さなごうち」とした。運営方法や利用期間、施設使用料などは未定。管理運営者は今後公募する。

 事業費は1億1790万円。国の地方創生拠点整備交付金4900万円などを充て、8月に着工する予定。