小松島市教委が、市内に11ある小学校を4校に再編する計画を進めている。2030年度には市内の児童数が推計で今より3割少ない1125人に減り、最も少ない学校では18人になるという。子どもの人間関係の固定化解消や、集団生活を通じた社会性の育成には、再編が不可欠というのが市教委の立場である。

 市教委は、1学年2学級以上(1学級35人)になる学校規模を理想とし、30年度の推計児童数なら4校どころか2校にでも減らせると考えていた。しかし、学校がなくなる地域の将来や防災面にも思いを巡らせば、再編が単なる数字合わせでいいはずがない。あらゆる影響を考慮し、慎重に進めてもらいたい。

 計画によると、小松島、南小松島、北小松島、千代、芝田の5校を南小松島1校にまとめ、立江、櫛渕、坂野、新開の4校も新開1校に統合する。残る児安小と和田島小は、現地で存続させ、通学区域もそのままとする。

 再編で学校がなくなる地域にとって、この計画は一大事である。自分の子どもを通わせる小学校が近所にない地域に、若い夫婦が住もうと思うだろうか。若い世代が定住せず、次第に空き家が増え、やがては地域そのものがなくなりはしないか。

 小規模校には、学習指導や生活指導で個々の児童に目が届きやすいなど、メリットもある。集団生活を通じた社会性を身に付ける場は、習い事やクラブ活動など学校以外でも増えてきた。1学級に35人いなくとも、教育効果を上げることは不可能ではない。

 防災面でも課題はある。

 県が12年10月に公表した南海トラフ巨大地震の津波浸水想定によると、新たな拠点校の一つに予定されている南小松島小は、津波の浸水深が3~4メートルのエリアにある。市教委は「津波対策を施した校舎を建てる」と説明するものの、地震発生後に保護者が子どもを迎えに来て被害に遭わないとも限らない。

 今ある11校を全て残すのは難しいかもしれない。ただ残念なのは、少子化の波に身を任せるだけで、例えば「この地域に農業移住者を増やす施策を打つから、小学校も残す」といった、戦略的取り組みが市に見られないことだ。

 県内には「学校の灯を消すな」を合言葉に、地域の人々が立ち上がった美波町伊座利のような先駆的事例もある。都市部からの漁村留学の受け入れなどを通じて地域に小学校や中学校分校を残した取り組みは、特筆に値する。

 学校再編は地域に与える影響があまりに大きく、教育委員会の主導で決めると複眼的思考が伴わないケースが少なくない。しかし、従来の再編論議はどこともそんなスタイルで進んでおり、その決め方こそ変えていく必要がある。

 まちづくりのビジョンを決める市の市長部局も積極的に関与し、地域の理解や協力を得ながら将来に禍根を残さない学校再編を望みたい。