接客業務を担う女性従業員にヒールのある靴を着用させる規定があるかどうかを、航空会社を中心に共同通信が32社にアンケートしたところ、回答した28社のうち20社に規定があることが26日、分かった。「規定はない」としたものの、ガイドラインなどを設けている企業も3社。ヒールの高さや幅をセンチ単位で細かく定めた企業もある。

 ヒール靴の使用で外反母趾や腰痛など健康被害に苦しむ人は少なくなく、選択肢を求める意見が出ている。改善を求める運動「#KuToo(クートゥー)」も多くの賛同を集めた。一方、企業は規定やガイドラインの理由を「制服との調和を図るため」などとしており、見直すとしたのは2社のみ。足元の「働き方改革」は道半ばのようだ。

 アンケートは7月に実施。ヒールのついたパンプス(足の甲のあいた婦人靴)姿での接客で知られる業界の企業(航空16社、銀行・保険6社、百貨店4社、ホテル3社、携帯電話3社)を選んだ。「着用を義務化、または推奨する規定はあるか」との問いに、20社は「ある」と回答。規定はないとしたうち、3社にはガイドラインや模範例があった。

 航空は16社中15社が客室乗務員(CA)などに具体的な高さや幅を定めている。CAの機内用ヒールは日本航空が「高さ3~4センチ、幅3~4・5センチ」、全日本空輸が「高さと幅は3~5センチ程度」などと取り決めていた。

 携帯3社のうちNTTドコモは、代理店が運営するドコモショップのスタッフにヒール付きのパンプスを配備していたが、働き方改革を理由に見直し、パンプス以外もOKとしていた。

ヒールの高さや色・素材・・・ 県内企業 規定さまざま

 徳島県内の金融機関やホテルでは、鳴門市のホテル・アオアヲナルトリゾートが「ユニホームに合う黒革のプレーンなビジネスパンプス。ヒールは1~7センチ程度が好ましい」と基準を定めている。

 同社によると、身だしなみを「おもてなしの一つ」と捉えているためで、業界の中では比較的緩い基準を採用しているという。外反母趾など身体的に困難な人や妊婦らには相談の上で対応する。

 阿波銀行と四国銀行は、必ずしもヒールのある靴の着用を求める内容ではないが、ガイドラインなどで種類を限定している。

 阿波銀はマナーブックで「シンプルな黒の革靴で、ヒールは4センチまで」とする。ヒールの高さに下限はなく、「客に不快感を与えない範囲で体調に合わせた靴を選ぶ」(担当者)という。四国銀は制服着用者が「黒のプレーンパンプス」、それ以外の行員は「黒、紺、茶系のパンプス」としている。

 このほか、明確な規定がない企業では「業務に支障のないデザインで調和を欠いた色や柄は避ける」(徳島銀行)などとし、個々の判断に委ねている。