2019年は春に統一地方選、夏に参院選が控えています。女性議員の割合は徳島県内の議会で約1割、参院で約2割にとどまります。関東の地域政党で女性議員を出す活動に取り組んだ経験を持つ藤永知子さん(65)=市民団体「市民と政治ネットワーク徳島」事務局長=と、1990年代から女性議員を増やす活動をしている諏訪公子さん(75)=同ネット代表、いずれも徳島市=に、女性がどう政治と向き合えばいいかを聞きました。

 女性主体の地域政党で活動経験 議員と一緒に考える

藤永知子さん

 10年前に埼玉から夫の古里である徳島に引っ越してきました。これまでさまざまな環境保全の市民活動にも関わってきています。

 千葉県市原市で住んでいた30代の頃、近所の人たちと生活クラブ生協をつくりました。安全な食べ物や環境に負荷の少ないせっけんを共同購入するのですが、みんなで食の安全や環境問題を話し合う。そこで気付いたのが、暮らしは政治に直結しているということです。食の安全についても行政がルールを決める。だから、私たちが政治に関わる手段を持たないといけない。

 生活クラブ会員を母体に、ほとんど女性だけで「いちはら市民ネットワーク」という地域政党をつくりました。「決める場」に女性を出さないと駄目だと市議選に向けて活動し、当選者も出しました。

 こうした生活クラブを母体とした市民ネットワークは各地にあって、例えば東京都では「東京・生活者ネットワーク」という政党名で都議や市議、区議を出しています。共通しているのは、市民参加による政治という理念のほか、▽ローテーションで議員を出す(現在は最長3期12年で交代するのが原則)▽議員の報酬の一部をプールして次の選挙資金にする―といった仕組みです。

 議員は私たちの「代理人」で、彼らが持ち帰った情報を基に、私たちも議論し、提案する。議員の「後援者」じゃなく、共に政治を考えるというスタンスです。埼玉に住んでいたとき、私もさいたま市議選に出馬したことがあります。落選しましたが。

 徳島の選挙を見ていると「お祭り」的にも見えます。私たち(有権者)がコミットして一緒にやっていこうという関わりなしには、まずいですね。

 今、日本では下手に政治のことを言っちゃいけないなんて空気もあります。でも、例えば子どもがいれば、保育、教育、教科書、部活などいろんなことが見えてきます。疑問を持ったら周囲に話してみる。そこから、始めてみてはどうでしょう。

 20年間女性の政治参加後押し 「えいや」と出てみる

諏訪公子さん

 1999年に女性のための政治塾「阿波女を議会に!バックアップスクール」を始めるなど、長年女性の政治参加を後押しする活動をしてきました。世の中は少しずつ変わっています。しかし、「『政治は男のもの』という意識を変えて」など、昔と今とで言っていることがあまり変わっておらず、少し情けない気もします。

 自分自身が選挙に出ようと思ったこともあります。「県議選に出ませんか」と声を掛けられ、夫も承諾し、「お金はいくらぐらいなら出せる」と家庭内で話し合いができていたんです。でも、そこで夫が突然、下血して倒れてしまった。そこから約10年間、夫の闘病生活、私の介護生活が続きました。私は議員になる「運」はなかったんだろうな、なんて思います。

 女性議員はもちろん増えた方がいいけれど、誰でもいいわけではない。女性をはじめとする市民の課題を解決するためにいろいろ考えてくれる人じゃないと。「これは」と思う女性に声を掛けていますが、家族の生活も変わるし、世間の目もあるし、お金も必要だし。もろもろ考えると皆、踏みとどまってしまう。いろいろ考えると出られなくなるから、「えいや」と出る方がいいかもしれません。

 一方で、議会の側も、「自分は無理だ」と思っている人が出やすいよう、環境整備をする必要があります。

 「誰を選んでも同じ」なんて言う人がいますが、そんなことはない。選んだ議員が出した結果は、自分たちに返ってきます。本当は「出たい人より出したい人を」の精神で、周囲が「この人なら」と思う人に出てもらいたいですよね。