紫外線LED製造販売のナイトライド・セミコンダクター(鳴門市)は10日、殺菌作用を持つ深紫外線の高出力LEDを開発し、販売を開始したと発表した。同社によると、波長275ナノメートル(1ナノは10億分の1)で最高クラスの光出力50〓を実現しながら、価格を抑えた。トイレのハンドドライヤーや冷蔵庫、医療現場などでの殺菌用光源としての需要を見込んでいる。年間10万個の売り上げを目指す。
新製品は6・35ミリメートル四方、厚さ1・8ミリメートルの薄い板状。高効率深紫外線チップ(750マイクロメートル四方)を高反射アルミニウムパッケージに4個搭載し、高出力を実現した。新製品は、菌を死滅させるのに有効な波長と強さの深紫外線を照射できるため、高い殺菌効果が得られるという。
光による殺菌で知られる水銀ランプに比べると、寿命は10倍以上の1万時間超。特許のライセンスを供与している米韓の2社と協力して量産技術を確立したことで低価格化にも成功した。1万個を受注した場合、1個当たり約3千円となる。
同社によると、深紫外線LEDは水銀に代わる光源として期待されているが、量産が難しく、高額なため普及していなかった。村本宜彦社長は「手にしやすい価格帯にすることができた。普及させていきたい」と話している。