総合建設業の亀井組(鳴門市)は、神社仏閣の建築事業を拡大させるため、社寺建築で1400年以上の歴史を持ち全国で設計・施工などを数多く手掛ける金剛組(大阪市)と業務提携した。設計を委託するとともに、施工や現場監督を共同で行うなどし、金剛組の専門知識や経験、ブランド力を生かして受注増につなげる。
設計・施工業務の委託のほか、両社で共同事業体(JV)を組んで受注するなど、案件に応じてさまざまな形で連携する。亀井組では、現場監督や職人を出し合い、共に施工に当たる中で独特の知識や技術を学んだり、研修に講師を派遣してもらったりして自社の人材育成につなげることも想定している。
亀井組は、これまでにも県内で社寺建築を手掛け、四国霊場1番札所・霊山寺(鳴門市)の大師堂や山門、大麻比古神社(同)の社務所、県護国神社(徳島市)の社殿などの新築、改修を行っている。しかし、設計は屋根のそり具合や木材の使い方など独特のノウハウが必要なため外注しており、県内では限られている委託先の確保が課題だった。
亀井組によると、金剛組にとっては、現在、営業エリアとしていない四国での事業展開が図れる利点がある。四国内での営業は亀井組が担う。金剛組のブランド力が有利に働くとみており、他県への新規営業にも力を入れる考えだ。
亀井組の2017年度の売上高は約27億円。このうち、社寺建築は数%ほどだが、世界遺産登録を目指す四国八十八カ所霊場などがあり、十分な需要が見込めるという。
同社は「社寺建築のできる会社として企業価値の向上も期待できる。長期的な視野で人材を育て、50年先も社寺建築ができる企業であり続けたい」としている。
