海陽町が作ったエンディングノート

 海陽町が、人生の最期に備えて自分の希望を記してもらう「エンディングノート」を作った。「終活」が注目される中、町民の意見を町政に反映させる「みらい会議」のアイデアを取り入れて企画した。自分の歩んできた生涯、希望の葬儀などが書き込め、IT機器にどんな写真や文書が保存されているかを記す欄も設けた。
 名称は「しあわせノート」で、A4判20ページ。遺言書の保管場所、財産、葬儀の形式、納骨場所などを記入するようになっている。延命治療をするか、財産管理者を誰にするのか、といった項目について希望の指定もできる。
 IT化の進展とともに、パソコンやデジタルカメラ、スマートフォンなどに保存されている「デジタル遺品」の処理がクローズアップされている。このため、ノートにはそれらの扱いについて書き込む欄も設けた。
 アイデアを出したのは、2016年度にみらい会議のメンバーだった3人。町役場の会議室に毎月1回程度集まって話し合い、ノートに盛り込む内容についてまとめた。
 その1人、是枝峻さん(89)=同町大里=は「死は誰も避けられない問題。若い人でも事故に遭ったり病気になったりする場合がある。年齢に関係なく手にとってもらいたい」と話している。
 町が約40万円をかけて2千部を作った。海陽町の海南、海部、宍喰の3庁舎と浅川、川上の2出張所で無料配布している。