戦後に朝鮮半島で身寄りをなくした日本人女性が暮らす韓国の福祉施設「慶州ナザレ園」の運営を支援する市民団体「徳島NMKコクリコ」が、ハーモニカ演奏グループをつくった。29日に徳島市で開くチャリティーコンサートに出演するほか、県内各地でボランティア演奏するなどして、会の活動への理解を得ていく考えだ。
グループ結成は、会の代表でハーモニカが趣味の木下光世さん(82)=徳島市八万町千鳥=の発案。会が開くチャリティーコンサートを盛り上げ、賛同の輪を広げようと、会員やその友人に呼び掛け、昨秋結成した。
グループ名は笑顔を意味する「ニコット」。木下さんを含む市内の60~80代の女性7人が週1回、同市の県立障がい者交流プラザで練習している。
チャリティーコンサートは29日午後1時から同市のふれあい健康館で開かれ、ニコットは昭和の歌謡曲「下町の太陽」やロシア民謡「赤いサラファン」など3曲を演奏する。オカリナやウクレレなどの演奏グループも4団体が出演する。入場無料で、会場に募金箱を設置する。
ニコットは今後、チャリティーコンサート以外にも年2、3回、県内でボランティア演奏し、会の活動の意義などを伝えていく。
慶州ナザレ園は、戦前や戦中に朝鮮人男性の妻として朝鮮半島に渡った後、夫と死別、離別し身寄りをなくした日本人女性を保護する民間施設で、現在14人が暮らす。木下さんは「入園者が残りの人生を穏やかに過ごせることを願い、懸命に演奏したい」と話している。
コンサートの問い合わせはコクリコ<電080(5365)1040>。